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いきなり異世界 「朝夷奈切通」六浦から鎌倉へ

史跡・神社仏閣

こんにちは、悠帆堂です。今回は、鎌倉七口のひとつ「朝夷奈切通(あさいなきりとおし)」に出かけてみました。

三方を山に囲まれた鎌倉には、そのアプローチとして山々を貫く切通しが拓かれていました。現存する切通しのうちの7つが鎌倉七口や鎌倉七切通と呼ばれています。
そのひとつ「朝夷奈切通」は、中世の主要な港だった六浦(神奈川県横浜市金沢区)と鎌倉を結ぶ物流の要路だったといいます。
このブログでは以前に金沢八景の「上行寺東遺跡」を訪ねたのですが、その時「そっかぁ鎌倉ってここから近いんだな…」と今さらながら気になっていたのです。
それでは行ってみましょうか。

「金沢八景」駅から徒歩でぶらり30分…やっぱりバスがいいかも、です。

というわけで、切通しへは横浜市の金沢区側から入ることにします。京浜急行「金沢八景」駅からはバスで切通しのすぐそばの「朝比奈」バス停まで行けるのですが、鎌倉までの距離感を確かめたいというもの好きな気分もあって環状4号線をブラブラと徒歩で。

「上行寺東遺跡」にも立ち寄ってみましたが、やっぱり立入禁止のままでした。

「朝夷奈切通」への入口の500mぐらい手前に「鼻欠(はなかけ)地蔵」があります。いつ、だれが彫ったのかもわからないという巨大な摩崖仏です。

現在もお地蔵さまの輪郭が確認できるとのことなのですが、皆さんわかりますか?

「金沢八景」駅から30分ちょっと、やっぱりバスにすればよかったかな…などとぼやきつつ歩くとようやく「朝夷奈切通」の標識がありました。

異世界へ。さっきまでの幹線道路の乾いた風景とはがらりと変わる雰囲気。

標識に従って舗装された小道を入っていくと石の標柱。石仏が静かに迎えてくれます。ここから鎌倉市側にある「三郎の滝」までが国指定史跡「朝夷奈切通」ということになります。

上を走っているのは有料道路の「横浜横須賀道路」。ここをくぐると一気に古道の雰囲気が高まってきます。

路面には泥岩を並べた土丹(どたん)と呼ばれる処理が施されています。鎌倉時代の舗装の跡だそうです。

途中に「熊野神社」への分岐路がありました。源頼朝が鎌倉の鬼門にあたるこの地に紀州の熊野三社大明神を勧請したと伝えられています。

分岐路を引き返して、もと来た切通しに戻ります。ここからごつごつとした岩の坂を上ると「大切通し」と呼ばれる場所に出ました。
「朝夷奈切通」の頂上がこのあたりで、見どころとしてもここがクライマックスという感じでしょうか。横浜市と鎌倉市の境界でもあります。

切り立った壁の高さは18mほどあるそうで、圧倒されます。壁面にはお釈迦さまらしき姿が彫られていましたが、いつの時代のものなのかはわかっていないようです。ご高齢のハイカーの方も熱心にご覧になっていました。

鎌倉時代から実に昭和まで。この道は人々のくらしを支え続けていました。

切通しを歩いていると、壁面には供養塔や石像がぽつぽつと。江戸時代など、いろいろな時代のものがあるようですね。

中世の面影をよく残した切通しとして知られる「朝夷奈切通」ですが、鎌倉幕府が滅亡してからも重要な交通路としてそれぞれの時代に改修を重ねながら、実に昭和になっても昭和31年の金沢街道(県道204号線)開通するまで、生活道路として使われていたというから驚きです。

大切通しを過ぎて鎌倉市側に入ると道は下り坂に。出かけたのが雨の後だったせいもあるのかもしれませんが、壁面などからもかなり水が湧いているようで路面は水びたし。

べつに大げさな装備は必要ないのですが、靴はしっかりと滑りにくいものを履いていったほうがいいと思います。あと、多少汚れてしまってもいいもので。

道のわきには湧き水対策の側溝が掘られています。この水が大刀洗川となり、滑川に合流して相模湾に注いでいます。

足元を気にしながら坂を下りきると「三郎の滝」。「朝夷奈切通」の“朝夷奈”の名は、源頼朝の御家人(家来)和田義盛の三男・朝夷奈三郎義秀が一夜で切り開いたという伝説に由来するそう(諸説あるようです)ですが、この滝の名前も彼にちなんだものと言われます。

ここまでが国指定史跡の「朝夷奈切通」。鎌倉市側の入口です。

ちょっと後悔。注意力散漫な私には見つけられなかった「梶原太刀洗水」。

で、この先に鎌倉五名水の一つの「梶原太刀洗水(かじわらたちあらいみず)」という小さな泉がある――

はずなのですが、見つからない(笑)。頼朝の命を受けて上総介広常を討った梶原景時がその太刀を洗ったと言われる泉で、少し高いところから筧を通じて水を落としているそうなのですが、みつからない。皆さんはぜひ注意深く見てみてください(ごめんなさい)。

静かな町を道なりに進むと「十二所神社」バス停に出ます。

悠帆堂はそのままこりもせずムダに歩き続け、「杉本寺」の前を通り、「鶴岡八幡宮」に到着。切通しの途中で「熊野神社」に寄ったのでトータルでだいたい8kmちょっとの道のりでした。

観光客でにぎわう鎌倉のまちを歩いていると、さっきまでの切通しの光景がなんだか夢の中の出来事のように思えてくるのでした。

■朝夷奈切通
●所在地/横浜市金沢区朝比奈町字峠坂1番地~鎌倉市十二所
●利用時間/・金沢八景駅からバス10分、朝比奈バス停下車 徒歩 5分 ・鎌倉駅からバス15分、十二所神社前バス停下車 徒歩 25分 
●横浜市サイト https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kyodo-manabi/bunkazai/isan/asaina.html